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破裂して中のシリコンが漏れ出して、周囲の組織に入り込んでいなければ比較的簡単に取り出すことが出来ます。豊胸の時に切開した様に皮膚を切開し中からシリコン・インプラントを引き抜きます。バッグが破れて中のシリコンが漏れている場合はそのドロドロと漏れたシリコンをふき取ります。切開は乳房の下側(足側)でふくらみが平らになる線(乳房下溝線と言いますが)の線上でやや外側のところに切開を入れれば取り出しやすく、また、インプラントを取り出した後はその線部分で陰になるように切開しますので、長い年月で傷も分かりにくくなります。
中のシリコンが漏れ出して周囲の組織に浸潤する(入り込む)ことがなければ難しい手術にはならないので、外来で局所麻酔の手術で出来て日帰りで帰れます。インプラントが破損していて漏れ出していても、ふつうは周囲にカプセルというしっかりした膜が出来ていて、カプセルを越えて浸潤していくことは少ないのです。漏れ出してどうしても心配な人は軽く安定剤を注射して鎮静してやります。鎮静した場合は手術後2時間ほど休んで鎮静が取れたら帰れます。
周囲に浸潤していてカプセルなどを切除する以外、術後痛みはあまり感じません。長い年月を経ていると周囲のカプセルに石灰が沈着していて卵の殻のようになり、それまで切除した場合は、痛みが出たり、術後出血することもあり、タンクトップのような弾力包帯でしっかりと圧迫固定を2週間ほどします。切開創は中で縫い合わせ(皮下縫合)表はテープで固定するだけのことが多いので、次の日からシャワーができます。
カプセルなどの取り出しがなければ、次の日からデスクワークは可能です。周囲のカプセルや組織を切除した場合は安静気味にしていた方が出血などは防げるでしょう。
通院は術後2,3日したら一度診察して、出血など問題がなければその後1週間目2週間目くらいでいいでしょう。術後3か月、半年1年と診ていきます。
豊胸目的で脂肪を注入した場合に一か所に大量の脂肪を注入すると血液の栄養がいきわたらずに脂肪が壊死して硬くなったり、脂肪が溶けてサラダ油のような油がたまり周囲が袋のようになります(オイル嚢胞)。これらも皮膚表面からは硬くシコリのように触れます。少し時間がたつとこれらに石灰が沈着して硬さを増します。
基本的には前に述べたシリコンの周囲に浸潤した組織の切除と同様になりますが、比較的大きめのものは対称がはっきりしていて取りやすいのですが、小さなものが沢山ある場合はわかりにくくすべてを取り除くことは不可能です。硬く邪魔になるものだけをとるのがいいでしょう。
乳房下溝線に近いところのシコリはシリコンの切除と同様に乳房下溝線に切開を入れて取り出します。乳頭・乳輪に近い部分のシコリは乳輪の辺縁をギザギザに切って中に入り取り出します。乳輪より上のシコリは乳輪の上側辺縁に切開を加えます。乳頭・乳輪から少し離れていても、皮膚が柔らかいので乳輪辺縁からその部分へ到達することが出来ます。乳輪より下にあるシコリは乳輪の下側の辺縁で切開します。右側なら右寄りで、左なら左寄りではいります。この部分はもともとギザギザした感じですので、ほとんど傷は目立たなくなります。
それほど数がなければインプラントの切除と同様に外来で局所麻酔またはそれに鎮静剤を追加して日帰りで出来、経過も同様です。